【辻村深月】おすすめの5冊を紹介する【レビュー】

こんばんは。らんまです。

わたしが読んだことのある辻村深月さんの小説のなかで、特におすすめしたい5冊を紹介します。
ネタバレになるような記載は極力控えています。

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辻村深月さんについて

人間関係の中での、心の機微を捉えるような文章が特徴的です。
綾辻行人さんの「十角館の殺人」を読んで以来、綾辻さんのファンとなり、「辻村深月」というペンネームの「辻」の字も「綾辻」から取られたそうです。

作品間リンク

辻村深月さんの小説では、ある作品に別作品で出ていた人物が登場する「作品間リンク」があります。
そのため、辻村深月さんの小説を読むときは、読む順番が重要だとされています。
本記事で紹介する作品については、リンク作品についても簡単に紹介しておきます!

辻村深月さんのおすすめ小説5冊を紹介。

スロウハイツの神様

この小説は、わたしの中で圧倒的にお気に入りの作品です。

舞台は、脚本家の赤羽環(あかばね たまき)をオーナーとするアパート、「スロウハイツ」。
環をはじめ、大人気作家のチヨダ・コーキや、漫画家を目指す狩野壮太、さらに映画監督や画家を目指すクリエイターたちが居住しています。
かつて手塚治虫や藤子不二雄等が居住していたトキワ荘の現代版です。

辻村さんの作品全般的に言えることなんですが、登場人物多いのに全員を好きになってしまうんですよね。
スロウハイツの神様は特に。

下巻の最終章は、鳥肌立ちっぱなし、涙腺緩みっぱなしです。

辻村さんの作品の中でも、圧倒的におすすめしたい作品です。

「凍りのくじら」とリンクしています。「凍りのくじら」を先に読んだ方が楽しめますが、あまり気にしなくても問題ないです。
 

名前探しの放課後

ある日、依田いつかは3ヶ月後の未来から過去にタイムスリップしていることに気づきます。
タイムスリップしたいつかは、3ヶ月後の未来で誰かが自殺をしたことを記憶していますが、誰が自殺したのかは覚えていません。
その「誰か」の自殺を止めるために、周りの人間も巻き込んでいつかが奮闘するというストーリーです。

この作品は、読んでいてどこか釈然としないところがあり、モヤモヤしながら読み進めていくことになります。
そして、ラストにかけて伏線が回収されていきますが、結末を読んだときの衝撃は今も忘れません。

ミステリーではありますが、最後には暖かい気持ちで読み終えることができるのは、まさに辻村深月さんらしい作品かと思います。

「凍りのくじら」「ぼくのメジャースプーン」は必ず読んでおくことをおすすめします。特に「ぼくのメジャースプーン」は必須。

本日は大安なり

大安の日に行われる4件の結婚式と、携わるウエディングプランナーの話です。
結婚にあたり、心の中がドロドロになっている人物たちが、暗い空気を引き起こしていきます。
各結婚式ではみんな一筋縄ではいかない背景がありますが、それぞれ少しずつ前進していきます。

物語中盤では人間のダークな面を次々に見せられますが、最後はあたたかいハッピーエンド。
物語を通じて、ウエディングプランナーさんは非常に素敵なお仕事だと感じさせられます。

「子どもたちは夜と遊ぶ」をリンクあり。先に読んでいた方が楽しめますが、あまり気にする必要はありません。

盲目的な恋と友情

タイトルの通り、前半は蘭花の「盲目的な恋」パート、後半は蘭花の友人である留理絵の「盲目的な友情」パートとして物語が進みます。
前半パートで蘭花の恋が描かれ、その蘭花を見守る留理絵の心情が後半パートで描かれています。

辻村さんの作品の中で、もっとも人間のダークな部分が書かれている作品ではないかと思います。
友情パートで描かれる女性同士の妬みや嫉みが、非常に後味を悪くしており、好みが別れる作品かと思います。
個人的には、桐野夏生さんの作品が好きな人にはハマるのではないかと感じております。

東京會舘とわたし

大正11年創業、現在も東京丸の内に実在する東京會舘が舞台です。
各章で、時代を経ながら東京會舘に関係した人物が登場し、その人物と東京會舘との関係や思い出が描かれていきます。
大正・昭和の話もあるのですが、遠い時代の話ではなく、当事者のような感覚で読み進めていくことができます。

東京會舘は、芥川賞・直木賞の授賞式会場としても長年利用されています。

最後に

辻村深月さんの小説は、人間心理の機微を絶妙に表していて、なんでこんなに自分のことをわかってくれるのかという気持ちにさせられます。
わたしのおすすめはダントツで「スロウハイツの神様」。
ぜひ、辻村さんの作品に引き込まれてみてください。

コメント

  1. […] 【辻村深月】おすすめの5冊を紹介する【レビュー】 辻村深月さんのおすすめ小説5冊を紹介。 […]

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